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【イイダに訊け(3)】子どもの居場所をつくる

最近、公園とかを通り抜けると、ひとりで寂しそうにしている子とかがいるんですよ。ぽつんと。声をかけたあげたほうがいいのかな、とか思いつつ、なんだか躊躇してしまって。

そうですね。僕もたまにあります。

「あれ、学校の時間なのにな」「暗くなってきたのに、まだ家に帰らないのかな?」ってね。

 

居場所がないのでしょうか……。

そうですね。地域社会のあり方が変わっていることもあるかもしれません。

昔なら、親が仕事から帰ってくるまで、近所のおじちゃん・おばちゃん、お兄ちゃん・お姉ちゃんと遊んでいた。

いまはマンション住まいも多かったりして、隣にどんな人が住んでいるのかもわからなかったりする。

 

ご近所さんだったはずが、誰か知らない他人になってしまった。

このことは、鎌倉ではあまり大きな話題にならないけど、これはいじめの問題とも密接に結びついていると思うんです。

全国どこでも。悲しいことに、いじめを苦に自殺する子どもはあとを絶たない。

 

ニュースで取り上げられるのは、氷山の一角ですよね。

だと思いますよ。学校に行くのが辛くて、毎日、おびえて暮らしている子はたくさんいる。

僕も実は、いじめられていた経験があるんです。

 

そうですか……。それはたいへんでしたね……。

上の学年も一緒になって、徹底的にいじめられた。教室の回りを、僕を狙う上級生がウロウロしていて、教室の外にも出られなかったり。放課後、学校裏で囲まれたり。

 

怖かったでしょうね。

もうビクビクでしたよ。だから「よし、これは!」と思い、勉強でも体育の授業でも負けないようにがんばった。そして、何かいちゃもんつけてきたら、ビシッと言い返すようにしていった。

そうしたら、だんだんとおさまってはいったけど。

 

おとなしそうに見られたってことでしょうか?

かもしれませんね。

先生にも相談したし、親も学校に電話をかけてくれました。

でも当時は問題意識がなかったせいか、まともに扱ってくれなかったんですよ。「子どもたち同士ではよくあることですから〜。時間が経てば自然に解消しますよ〜」って。

 

でも、それって……。

自分はたまたまへこたれない性格だったからやってこれたけど、人によっては不登校になってしまいますよね。

自殺してしまう子もいるかもしれないし。そういうところを、学校はなかなか気がつかない。

いまなんかは、教育委員会が学校現場に報告をあげるようにいっても、起きているいじめに気がつかないフリをしてしまうことがよくあるようなんです。

 

それはまた、問題ですね。面倒くさいから?

どうなんでしょう。

とにかく、現場の教師の人材育成は、もっとちゃんとしていかなくちゃいけないと思いますよね。

もちろんそれだけではないけれども、先生が子どもの気持ちを本当にわかろうとしなくては。いじめだけではなく、学校現場で起きているあらゆる問題すべてで。

 

先生は、忙しすぎるのもあるのでしょうか。

それもあるでしょうね。

日本は企業にしても何にしても、次から次へとやらせようとしますよね。じっくりと時間をかけて人を育てるという発想がない。

実際の学校現場で、こういう子がいる。こんなことが起きてしまった。さあ、どうする? といったときに、キャリアのある先生だって対応に苦労すると思うんです。もしかしたら、醜い態度をとってしまうかもしれない。

その悲惨な姿を目の前で見せられて、若い先生はショックを受ける。けど、そういう体験を積まないことには、何も育たない。そうでもしなければ、子どもに寄り添うと
はどういうことかなんて、身をもって学べないでしょう。

 

それまでの自分の中の何かがガラガラと崩れていくような経験ですね。

マニュアル通りにはいかない。すべては現場にあるんですよ。現場を知らないことには、何も改善することはできない。現場を見る目と心が大切。

 

ご両親は、飯田さんがいじめられて悩んでいることを受け止めてくれたんですね。

そうですね。

だからまだ少しは心がらくだったかも。だからいま、いじめられている子、学校に行くのが辛いと思っている子がいたら、こう伝えたいんです。

「親でも先生でも友だちでも、誰にでもいいから、勇気を出して話してみてごらん」

「ひとりで抱え込まなくていいんだよ」って。

 

周りの誰かが気がついてあげられればいいんですけどね。

そうなんですけどね。

でも実際には、話を聞いてくれるような先生がいない子、忙しくて子どもの話をゆっくりと聞いてあげられない親のほうが多いでしょう。

だからそこは、行政が用意しなくてはいけないと思うんです。学校でも塾でもなく、子どもが普段から出入りできる、安心して話のできる居場所をいろんなところにつくる。

 

「子ども110番」みたいな?

いや、というより保健室かな、学校の外の。いつでも自分の話に耳を傾けてくれる大人がいる。もしかしたらそれは、褒めてくれる大人がいる、ということと同義語かもしれない。

 

自分はひとりぼっちじゃないと感じることができる。生きてていいんだと思える。そんな空間があちこちにほしいですね。大人もですけど。