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飯田よしき鎌倉市民会議

【イイダに訊け(2)】いまを生きる私たちが鎌倉の歴史と文化と自然をつくる

「鎌倉は観光客がいっぱい来るから羨ましいね」って、よくいわれます。税金安くていいでしょう、って

税金が安いってことはないけどね。

たしかに観光客が落としてくれるお金は大きい。鎌倉には、年間、延べ2000万人以上の観光客が来ている。

ありがたい話ですよね。

鎌倉の魅力って、なんだと思います?

 

お寺とか、歴史的なものがいっぱいあるからですよね。あと海も

山があれば海があり、古いお寺がある。

自然と歴史と文化、この3拍子が揃っている。

都心から近くてこれだけ揃った街は、そうそうないですよね。

鎌倉には主要な産業というものがないから、市にとっての大きな収入源であることは確か。

でも、お土産屋さんとかお寺とかはあるけど、個別に商いをしているだけで、それが産業として構造を成しているわけではない。

だから崩れるときは一瞬だと、僕は思う。

 

なるほど。そういうもんなんですね。

自然も放置していれば、簡単に廃れてしまいますよね。

山はずっと緑の山のままでいてくれるかといったら、そうではない。下刈りや伐採、植樹をしないと山は死んでしまう。

僕らが意識して守っていかなければ、自然も歴史も文化も、消えてしまうのは一瞬。

 

一度死んでしまった自然を再生するというのは、なかなか難しいですしね。

それに、歴史や文化だって、教科書で勉強すれば継承できるかといったら、そうじゃないでしょう。

歴史や文化というのは、いまを生きている人が担い、つくっているもの。

100年経ったら、いま生きている僕らは歴史になるわけで、100年後には100年前の文化になっている。

 

へぇー、そんなこと考えたこともなかった

それを意識して、市民が体験的に自分のものとして習得し、次世代へ伝えていく作業をしなければ、文化なんてすぐに廃れてしまう。

いまは、観光と結びついて、文化や歴史を切り売りしてはいるだけだと思いません? 

それだけじゃ……。

 

私たちの日常の生活の中に、取り入れていくことが大切ですよね

ほんの小さな一歩だけど、まずは鎌倉市民が文化体験できる仕組みを作りたいと思っているんです。

例えば、1年かけて鎌倉彫を少しずつ掘っていってお盆を作るとか、1年かけて自然に触れながら史跡を歩いて見て廻るとか。

観光客も、鎌倉彫会館に「マイ鎌倉彫」を置いておいて、観光地巡りの後には毎回、立ち寄ってちょっとずつ掘り進めて、5回来れば仕上がるとか。

 

ボトルキープみたいに(笑)

そうそう。あるいは、鎌倉を訪れたら何かを習得して帰ってこられる。そんな観光をつくってみたい。

鎌倉の緑はとても美しいから守らなくてはいけないな。ゴミ箱が見当たらないけど、やっぱりポイ捨てはいけないんだな。そんなことを感じ取って帰ってもらう。

外から訪れた人が、鎌倉の街を守ってあげたい、と思えるような観光。

 

鎌倉市民ではない人も巻き込んでの街づくり。いいですね。

もうひとつ、鎌倉では歴史というと、語られるのは鎌倉幕府、源頼朝の話ばかりでしょう。

 

いわれてみれば。太平洋に面した海辺だし、戦争中の遺跡とかありそうなものですけど。あまり聞かないですね

防空壕跡のようなものもあちこちにあるけど、いま、それらと鎌倉時代につくられた祠の区別がつかないような状態である。

 

そんな、野ざらしになっているんですか!?

ちゃんと継承されてこなかった。

そういった歴史遺産も、市がきちんと保存していかないと風化してしまいますよね。

 

鎌倉時代以外の鎌倉って、どんなだったんですか?

鎌倉が栄えたのは12世紀末から鎌倉幕府が滅びるまでの約150年の間だけ。

その後は農民・漁民が細々と暮らしていた。

それが再び脚光を浴びるようになったのは、明治維新以降。別荘ができて、文化人たちが住むようになってから。

そんなこと、学校でも教えていないからね。

だから、僕たちがちゃんとそういうことも子どもに伝えていかないといけない。